• 明日へ望みをつなげた長谷部=水戸桜ノ牧高校常北校で(澤田遥香撮影)

  • 藤山は積極的な試合展開をしたが、ポイント一つ及ばず...

  • 守りの隙を突き、一瞬で相手をマットに沈めた田中亮明

  • どんな相手でも、果敢に攻めていくスタイルが特長の田中裕也(田上佳雅撮影)

  • 試合終了後、鍔田はチームメイトから労いの言葉をかけられた

長谷部、田中が準決勝進出 「全力を出せるように」 決意語る

[ボクシング部]第88回全日本ボクシング選手権大会(2018年11月16日 22時54分)

 11月14日より第88回全日本ボクシング選手権が開催されており、駒大からはOB3人を含む11人が出場している。16日には2回戦が行われた。結果は以下の通り。

【ライトフライ級】
○長谷部大地(経2) WP4-1 川口玲司(中大)●

【フライ級】
○田中亮明(16年卒) RSC(3R1”56)杉本聖弥(法大)●

【バンタム級】
●鍔田昂成(仏1) WP0-5 松本圭佑(東農大)○

【ライト級】
●金中竜児(17年卒) 棄権 木村蓮太朗(東洋大)○
●嶋田淳也(歴3) WP1-4 今永虎雅(東洋大)○

【ライトウェルター級】
●藤山義範(商3) WP2-3(1R1-4、2R2-3、3R2-3) 冨田真広(中大)○

【ミドル級】
○田中裕也(法3) RSC-Ⅰ 酒井幹生(自体校)●
●鬼倉龍大(17年卒) WP0-5 中島玲(東農大)○

※WPはWin on pointの略。判定での勝敗。
※RSCはReferee Stop Contestの略で、試合の続行不可能と判断したとき、レフェリーが行う勝敗宣告のこと。RSC-Iは負傷による勝敗宣言のこと。

 入賞をかけ、勝てば3位以上が決まるこの日、シード出場組も初戦を迎え、駒大勢全てが初戦を終えた。2回戦とはいえ、既に進出者は全国ベスト8の実力。激しい戦いが繰り広げられた。
 ライトフライ級で出場したのは来季のリーグ戦でスタメン入りする可能性がある長谷部。相手との距離をとるアウトボクシングを徹底する。相手は部内でスタメン入りをかけて激しいポジション争いをしている杉山広将(営3)を東海ブロックで倒してきてはいたが、長谷部はシード権を有する者としての実力を発揮。今日を含め相手とするは全て、対策を積み重ねてきたサウスポー。積み重ねてきた練習を信じ、立ち向かう。
 前日に全国大会で初勝利を収めたバンタム級の鍔田が相手にしたのは、学生生活を送りながらも数々の世界チャンピオンを輩出してきた大橋ジムに所属する東農大の松本選手。「実力に差があるのは分かっていた」とは語っていたものの、冷静にセコンドの支持を実行に移し、3ラウンドを戦い切った。ステップで相手を追い込み、ワンツーを放つ。試合中盤には、セコンドを務める石原英康コーチ(現・中京学院大中京高監督)からはより相手の前に出るために「ここでダウンしたら俺らの責任だからいけ!」と背中を押す檄も飛んだ。試合後も「自信になった」と前向きに結果を捉えた。全日本ランク入りしたことを自信につなげ、来季のリーグ戦出場を狙う。
 フライ級の田中亮明がTKO勝ちを収め、貫禄を示し、ライト級で出場したのはキャプテンの嶋田。高校時代の対戦成績の部が悪かった相手に対し、積極的にしかけていく。しかし、チームのエースである嶋田をもってしても、高校時代8冠の鳴り物入りで東洋大に入学した今永に届かず。有効打を要所要所で入れられてしまい、競り負けた。
 ライト級から1階級上げて臨んだ藤山は、同じく階級を上げてきた相手に対し、互角の争いを繰り広げる。だが、序盤のに硬さが見られ、それが響いてスプリット判定の末、敗れる。
 チーム全体に暗いムードが漂い始めたところに、一筋の光となって現れたのが、駒大のダークホース、田中裕也だ。国体でも準優勝した最大の源である前へ前へ攻めていく積極的なプレーでジャッジからの好印象を誘う。初戦を迎えたこの日は相手の負傷による勝利ではあったものの、次戦こそは本領を発揮する意気込みを見せた。日本一まで、あと2つ。

◆長谷部大地
「(今日の試合は)あまり…。初戦なので試合のつかみがうまくいかなかったが、ひとまず勝てて安心。(相手の印象は)思っていたより距離が遠かったので、想像よりやりにくかった。(シードでの出場だったが)評価して頂いていてよかった。国体ならくじ運だが、全日本やインターハイは連盟がシードを決めるので、まず自分が入っているとは思っていなかった。なのでそこが嬉しかった。(部内でリーグ戦出場を巡って杉山広将(営3)とのスタメン争いなどは)杉山さんはすごく強い。僕も普段スパーリングとかよくやっていて、杉山さんが強いからこそ自信がついた。今日の相手は今回の全日本の東海ブロック大会で杉山さんを破って出場してきた相手だったので自分の中では不安要素だったが、勝てたのでこれをスタートに、自分がリーグ戦から出れるように頑張りたい。(来年に向けて、杉山さんとの力差は)杉山さんとの実力差はそんなに大差ないと思う。杉山さんのいい所は試合のとき安定しているところ。自分は調子が良い時と悪い時がある。杉山さんの試合慣れしているところはすごいと思う。そこで僕が監督に選んでもらえるように、日頃のスパーリングや練習で頑張って、杉山さんとの差別化を図りたいと思う。(明日の相手について)今日から明後日までの相手は全員サウスポーで、ずっとサウスポー対策を練っていたので、丁度いいと思う。松本には1度高校3年生の国体で負けていて、決勝であたる重岡さんにも今年の国体で負けていて、両方リベンジできる機会なので」

◆田中裕也
「(今日の勝ち方について)運などの部分が大きいと思うので、これを引きずらず、気持ちを下げずにいきたい。自分としては浮かれるのも違う。今回もポイントでは負けているので。出だしよりも相手にどんどん合わせられていった実感があるので。(相手について)初めて戦った相手だったが、年齢も上だし、名前も知っていた選手だったので、自分の中では格上だという認識があった。そこにのまれないようにとは意識していた。でものまれた部分はあった。(次戦は)次は去年の全日本チャンピオンなので、勝っても負けても自分の全力を出せるように頑張りたい」

◆藤山義範
「(相手について)リーグ戦では勝っていたので…。(準決勝進出が現役選手だと2人となったが)あの2人には頑張ってほしい。それだけ。自分は来年のリーグ戦に向けて頑張るしかない。(来年もライトウェルター級で臨みのか)まだリーグ戦の階級がどうなるか分からない。東京五輪に向けて変わるかもしれない。ライト級が無くなるかもしれなくて。オリンピックに向けて階級が減る。そうなると自分は階級を変える可能性がある。(この後の部の動きは)ずっと練習あるのみ。12月の世田谷大会などを経て、2月からはどんどんエンジンの回転数を上げていくみたいな。(個人としてリーグ戦までには何を改善していきたいか)防御面。相手が攻めてきた時の対応を。今回はこれが原因で負けたと思っているので。あとは体作り。体作りをして押し負けないようにというか、パンチで相手が引き下がるくらいの。パワーをつけたい」

◆嶋田淳也
「(今日の試合は)全然ダメだった。結果がやはり悔しい。(主将として見た今大会は)やはり個人戦で勝ってくれると、リーグ戦のメンバーを選ぶ時とかに(誰がどこで勝ちやすいかという)イメージが湧きやすくなるので、よりチームの勢いが出ると思う。主将の僕がベスト8で負けてしまったのが本当に悔しい。(相手に苦手意識があるのか)そういう訳では無いが、少し堅くなってしまっていた。(今日の敗因は)相手の方が見栄えの良いパンチを打ってきていたと思う。それが判定に響いていたのではないか。(判定時の気持ちは)勝ったと思っていたが、結果負けてしまったので仕方ない。(来年に向けて)今回結果を残して自信持ってリーグ戦を迎えたかったが、負けてしまったので頑張りたい」

◆鍔田昂成
「(今日の試合は)自分より格上の相手で少し緊張していたが、思いのほか出来たので成長を感じられた。(相手の印象)強そうには見えていて、もっとパワーで押されると思っていたが、そうでもなかった。でもスピードが速かった。(セコンドやチームメイトの声は聞こえているか)しっかり聞こえていた。指示通りにも動けた。昨日よりも聞けたと思う。(ランキング入りについて)ジュニアや高校生の頃にランキング入りした経験がないので、まさかシニアでいきなりランキング入りできる可能性が出来て、自分でも驚きを隠せない。(来年のリーグ戦に向けて良いアピールになったか) なったと思う。この試合で勇気づけられたというか、気持ち的にも成長できた試合だったと思うので、もっと自信もって来年からは色々な試合に挑んでいこうと思った。(来年に向けて)集中力とスタミナをつけたい。後半にかけて落ちてしまうことが悪い癖だと思うので、もっと気持ちとスタミナを鍛えたい」


11月17日(土)に行われる準決勝の組み合わせは、
〔ライトフライ級〕長谷部大地vs松本流星(日大)
〔フライ級〕田中亮明vs坪井智也(自体校)
〔ミドル級〕田中裕也vs森脇唯人(法大) です。

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