• 準々決勝、キーポイントとなったリターンをペアに委ねたと話す日野(岡田あおい撮影)

  • 準々決勝、ストレートのリターンを成功させ流れを引き寄せた田村

  • 創部以来初のインカレ4強入りを果たしたダブルス

【男子】日野・田村ペア、インカレベスト4の快挙!!~4強への道のり~

[硬式テニス部](2018年08月25日 08時31分)

平成30年度全日本学生テニス選手権大会(本戦)が、8月13日~21日に岐阜県メモリアルセンターで行われた。日野勇人(営3)・田村迅(経3)ペアが男子ダブルスで4強入り。駒大硬式テニス部のインカレ最高記録であるベスト8を塗り替え、創部以来初のベスト4という快挙を成し遂げた。


<男子ダブルス 日野・田村ペア 試合結果>
初戦 ○ 2(6-1、6-0)0 ●小西陸渡・三浦幹太(東北大)
2回戦 ○ 2(6-1、7-5)0 ●小見山僚・楠原悠介(法大)
3回戦 ○ 2(6-4、6-4)0 ●鈴木佑・伊藤隆(日体大)
準々決勝 ○ 2(6-4、5-7、12-10)1 ●小林雅哉・齋藤聖真(早大)
準決勝 ● 0(1-6、1-6)2 ○坂井勇仁・田中優之介(早大)


【初戦】(※再掲)
 春の関東学生トーナメントのコンソレーションでインカレ本戦出場を決めたこのペアは、予選なしで今日の初戦に挑んだ。東北大を相手に、ファーストセットはゲームカウント6-1、セカンドセットは6-0というスコアで快勝。ストロークの深さやコントロール、チャンス球の決定力で実力差を見せつけ、終始ゲームの主導権を掌握した試合だった。次戦の相手は昨年度インカレベスト4の法大ペア。前回大会で2回戦敗退となった日野・田村ペアは、前回以上の成績を目指して格上撃破を狙う。

◆日野勇人
「(調子は)去年とあまり変わらなかった。学校で基礎からしっかりやって、ゲーム練習やってという感じ。技術的なことはいつもと変わりなく、基本からやっていった感じ。メンタル的には、今年のインカレはシングルスの予選からで一昨日負けてしまった。なので、ダブルスはさすがに1回戦では負けられないなと。シングルスは去年以下の結果なので、ダブルスでもっと頑張りたいなと思った。(試合を振り返って)自分のプレーは良くも悪くもなかったが、勝てた。関東でいう1次予選か2次予選くらいのところなので、ラッキーなところと当たったなと思った。(ダブルスの目標は)去年は8シードをもらって2回戦負けしているので今年はシードももらっていないが、2回戦で散りたくはない。去年以上の結果を目指している。(大会に向けての練習は)特別な練習はしていないが、いつもよりちょっと質を上げようと意識はした。基本に忠実に練習した。(次戦は)第3シードとかで今回の関東大会で優勝している強いペアと当たる。勝ちたい。勝てない試合ではないし、やれないことはないと思っている」

◆田村迅
「(夏の練習は)インカレ本直というのもあるので、一戦目からきつい戦いをすることを想定して、ダブルスは確認も兼ねて新しい戦術も含めつつ備えてきた。(ダブルスは本戦からの出場になったが調整は)状態は悪くはなく、この夏に向けて気合が違うというか、調子を上げて調整できていた。むしろ状態はいいほう。(今大会の目標は)前回のインカレで2回戦負けだったので、どこまでというのではなく、それ以上を目標にまずは一戦一戦目の前の試合に勝つというのを目標に頑張っていきたい。(今日の試合は)相手が相手で実力的には自分たちより格下な分、変にやりづらい部分もあって試せなかったこともあったが、しっかりあのスコアで勝ったので次に生かせると思う。 (2回戦に向けて)次の相手は今年の関東で優勝しているペア。チャレンジャーとして立ち向かっていきたい」


【2回戦】
1部の法大が相手の2回戦。日野のサービスゲームから始まったこの試合だったが、1ゲーム目からデュースとなりなかなかキープが出来ない。危ない場面も見られたものの、第1ゲームを制して流れを引き寄せる。続くリターンゲームも相手にプレッシャーをかけていき、ブレイク。完全に日野・田村のペースにもっていくことに成功する。その後も、ボレーやストレートの球で攻めるなど積極的なプレーで相手を抑え、1-6でファーストセットをものにした。
セカンドセットはそれまでしっかりキープできていたサーブゲームをブレイクされ、0-2とされる展開。それでも、冷静さを欠くことはなく、相手をロブで揺さぶり、試合を自分たちのものにする。0-2の直後にブレイク、キープして2-2とするとその後は相手のサーブゲームをブレイク。コースを狙った強打やボレーをしっかりと決め、最後は3連続でゲームを取る。7-5で接戦を制してセカンドセットを勝ちきり、ベスト16進出を果たした。

◆出井章雅コーチ
「(今日の試合は)1部校である法大のレギュラー陣に勝てたということは彼らにとって非常に自信になるだろうし、次の試合も今の勢いのまま頑張っていただきたいなと思う。相手が簡単なミスを珍しくしてくれたので、こちら側としてもチャンスがあった試合であったと思う。次の試合が同じ2部の日体大ということで、是非ともしっかり今のプレーを継続していただきたいと思う。何回もやっている選手で、作戦等はよくわかっていると思うので大丈夫だと信じている」

◆日野勇人
「(今日の試合を振り返って)最初自分のサービスゲームでもたついてしまってキープできるかわからなかったが、そこがキープできたことで結構いい流れで入れて、ファーストセットをスパンと取れたというのが大きかった。(1部の強豪相手だったが対策は)シングルスと同じく基本に忠実に。でも1部の学校はサーブがみんな強烈なので、とりあえずリターン練習に力を入れてやった。なかなか悪くない出来だったと思う。(相手が怪我をしていたが)だが、相手のシングルスを見た感じ痛そうにしていたが、普通に強かったのでこれは甘く見ちゃいけないなと思い、『普通に戦えるようにしないと』と気を引き締めた。(次の相手は)リーグ戦でも当たるであろう日体大。負けられない。来月も戦うのでとりあえず勝ちたい。去年もリーグ戦で当たるはずだったのに自分が足首をひねって、できずに終わってしまい、田村は後輩と組んで負けてしまっているので、自分でしっかりとリベンジしたい。(プレー中に足首を気にしていたが)2週間くらい前に足首をひねってしまって、練習しすぎてなかなか治らなくていつも少し痛いが、あまり問題じゃない。(強豪を打破した上での目標は)去年2回戦で負けて、学年が上がるにつれてやはり結果は出していかないといけない。去年と同じかそれ以下になりそうだったので、とりあえず一安心だが、次も負けられない相手。駒大の偉大な先輩が昔、全国でベスト8に入っているからまずはそこに並びたいなと思っている」

◆田村迅
「(試合を振り返って)入りがとても良かった。自分たちのサービスゲームからだったが、ゲームを取るまでが長かった。いきなりブレイクされる不安もあったが、そこをしっかりキープできたのが勝利のキーポイントだったのかなと思う。その勢いでファーフトセットをいい流れで、6-1で取れた。セカンドセットも相手は調子を上げて来たが、なんとか食らいつけた。(対策は)相手が怪我をしているという情報を聞いていたのでオーバーヘッドを狙って、スマッシュを打たせて今の弱点をついてロブ気味の球を打つことが多かった。他にも、プレッシャーをかけてくるかなと思ったので、とりあえず自分のサービスゲームはしっかりキープというのは当たり前。リターンゲームで相手もキープしたいところをリターンダッシュするなど、ストレートに打つことを多く混ぜたおかげで、片方のサービスゲームはずっとブレイクできた。それも一つのキーポイントだったと思う。(次戦は)去年のリーグで日野と組んでやったわけではないが、戦ったことのある相手。だいたいどんなテニスをしてくるかは分かるので、相手の得意なことをやらせず、自分たちの土俵を作ってそこで戦うテニスをしていきたい。(目標は)一戦一戦やって、駒大の記録を塗り替えるつもりで優勝狙って頑張っていきたい」


【3回戦】
ベスト8をかけ、挑んだ3回戦。相手は秋季リーグでも対戦する日体大。出だしから好調の2人は日野のサービスゲームをラブゲームで獲得する。勢いに乗ると、その後のリターンゲームも打ち合いを制してブレイク。田村もしっかりとラブゲームでキープし、その後はキープ合戦に。1ゲームもブレイクされることのない安定感を見せ、最後も日野が余裕のキープ。6-4でファーストセットを制した。
続くセカンドセットも両者ともにキープのし合い。3-3となったところで「ここブレイクするぞ!」と気合いを入れてゲームに臨む。前に出た田村が相手に抜かれる場面も見られたものの、ここでしっかりと有言実行のブレイク。その後もキープを続ける。途中、5-3のリターンゲームで見られたマッチポイントのチャンスをものにできず、デュースを繰り返した末、キープされる。だが、2人の調子が乱れることはなく、その直後のゲームもしっかりとキープ。6-4でセカンドセットをものにして勝利しすると、ベスト8となり、今大会の駒大最高記録に並んだ。

◆出井章雅コーチ
「(今日の試合は)スコア的には6-4、6-4ということで、ファーストセットに関しては早い段階で相手のサーブをブレイクできたので、そのあと危なげなくキープ、キープで6-4という形になった。セカンドセットに関しては2人の攻めていこうという意識は見えたが、それが簡単なミスに繋がりすぎていて、ちょっと始めはりズムに乗れなかったところがあったが、セカンドセットは中盤から後半にかけてブレイクするチャンスでものにできたというのは彼らのタフさがブレイクにつながったのではないかなと思う。5-3の相手のサービスゲームで2回ほどマッチポイントがあって、デュースも5、6回あった中で取れなくて次のサービスゲームに影響出るかなとは思った。だが、そこはしっかり切り替えて40ー15でキープできたので、2人でしっかり話し合っていたし、いつもと同じ実力が出せたと思う。(次は早大との対戦となるが)もちろん相手は強いメンバーだが、同じ学生同士ですし、落ち度はどこかにあると思うのでそれを見極めて是非頑張ってほしいと思う」

◆日野勇人
「(今日の試合は)昨日から正直負けられないなと思っていたので、気持ちを高めてやったら最初から悪くなくて良かった。僕たちは相手が前に来る方が好きなので、今日の相手は片方が前に来てくれたのでそこが狙い目だと思ってプレーした。そうしたら、しっかりとそこでしっかりとブレイクできたので、作戦通りにいい感じで試合運びができた。だが、今日はリターンが全然入らなくて、最初、3ポイント連続で入っていなかった。このままいつもの位置だと返せないなと思ったので、少し下がって相手の足元に沈めるようにすることをひたすら意識した。(2セット目の5-3でデュースが続いて取られてしまったが)そこはブレイクできたらラッキーくらいの気持ちでやっていて、もう1つブレイクしていたし、まだこっちはブレイクを1回もされていなかったのでその次のゲームをキープする自信は正直あった。(次戦は)正直、負けたくはない。でも相手の方が一つ一つのプレーも上だと思うので食らいついてチャンスがあれば狙って行きたいと思う。気持ちでは負けないようにしたい」

◆田村迅
「(調子は)肩の調子が試合期間に入る前からそこまで良くなかったが、調子自体は悪くなく、むしろいい状態でこの大会に臨めている。(今日の相手は)相手選手の伊藤のボレーをどうかわしていくかと、鈴木のストレートアタックをどうブロックしていくかを試合の途中からではなく、出だしから攻略していくというプランでやった。そういう面で入りは本当に良くて、相手を抑えつつゲームも取れたので、なんとか相手の伊藤のサーブをブレイクしてファーストセットもセカンドセットもゲームを取れたのでそこがポイントだったのかなと思う。(セカンドセットの5-3の場面では)相手のサービスゲームで何本かマッチポイントがあって、自分たちも仕掛けたが、そこは相手がいいプレーをしたので、そこは相手のナイスプレーを尊重して、自分のサービスゲームでしっかりとファーストサーブの確率を上げることだけまず意識して、あとは日野が前でしっかり動いてくれるというのをラスト1ゲーム徹底するだけだった。(次戦は)こっちがいい勢いで来ていて、相手もビビっていることもあるのでその隙を逃さずに、出だしからどんどんチャレンジできるように明日はチャレンジャーとして食いにかかりたいなと思う」


【準々決勝】
ベスト4をかけた試合の相手は超強豪の早大。「チャレンジャーとして食いにかかりたい」と意気込んで挑んだ。前日の試合同様、ゲームの入りが良く、序盤から積極的にボレーなどでプレッシャーをかけていく。それが功を奏し、ファーストセットの中盤で相手のサービスゲームをブレイクして相手のペースを崩す。自分たちのサービスゲームもきちんとキープし続けてこのセットをものにした。
セカンドセットは1ゲーム目からブレイクをし、さらに流れに乗るかと思いきやブレイクし返される。相手に一度もリードを許すことなく、5-4で迎えた日野のサービスゲームへ。だが、田村のボレーや日野のスマッシュが決まらずこのゲームを取られることで、流れは完全に相手へ。その後なす術なく2ゲームを奪われ、5-7でセカンドセットを落とし、試合はスーパータイブレイクまでもつれ込む。
7-9となり相手のマッチポイントとなり追い詰められたものの、田村のストレートを抜くリターンエースで流れが一気に好転。その後の日野のサーブポイントも着実に獲得し、逆転すると最後は日野のスマッシュが綺麗に決まりスーパータイブレイクをものにし見事ベスト4進出を決めた。

◆出井章雅コーチ
「(今日の試合は)相手は関東学生の春関で当たったことのある相手だったので、手の内はわかっていた。前日に少し作戦を練って前回の二の舞にならないようによく頑張ってくれたと思う。ファーストセットはいい感じでブレイクできて6-4になってセカンドセットも5-4でサービスゲームがあったのだが、そこは取りきれなくて早大の底力を見せていただいたなと思った。スーパータイブレイクも集中力を切らさずに攻めの姿勢を貫き通したのがこういう結果につながったのかなと思う。それに彼らが勝って、自信になった嬉しい試合だったかなと思う。強いて言うならセカンドセットを取られたときに日野がラケットを投げてしまうというパフォーマンスがあって、それはアスリートとして良くないところなので、私も指導者として注意していきたいと思う。せっかく練習をしてきて積み重ねてきたものがラケットパフォーマンスで観客もいましたし、評判も落ちてしまうので、指導者の責任でもありますし指導していく。(次の対戦相手は)第1シードの早大のペアということだが、今まで勝ってきてその分自信を持っていると思うのでその勢いのままトライしていきたいと思う」

◆日野勇人
「(ベスト4になって率直な感想は)素直に嬉しい。チャンスはあったので勝とうとは狙っていたが、ベスト4というのはすごく嬉しい。(今日の相手は)前回のインカレ本戦決めのコンソレーションで負けていたので、絶対に負けられないなという気持ちで入った。そしたら綺麗に最初でブレイクできて、あとはキープするだけだなと。昨日の試合と同様に、このままブレイクを大事にして最終的に試合をものにしていこうと思った。相方の田村もなかなか良かったし、すごく助かった部分もあった。自分も悪くなかったので最後以外はしっかり決めることができた。セカンドセットの自分のサーブでキープできなかったのは反省だなと思うが、正直勝ちビビリをしてしまい、緊張をしすぎてしまった。(スーパータイブレイク入る前の気持ちは)もう切り替えるしかないなと思って、実際に勝てると思っていたので、あとはもう気持ち。どれだけ集中してやれるかということだけ考えていた。あとはプラン的にも、相手にはパターンがあったので、それを逆に狙っていこうという話はしていた。(スーパータイブレイクで7-9という場面があったが)そこで田村が「ストレートに打ちたい」と言ってきた。その時にこの試合はもう田村にかけるしかないなと思って、ストレート抜ければ8-9で自分のサーブが回ってくるのでそこでキープする自信はあった。だが、リターンは正直田村も後半は半分くらいの確率でしか入ってなかったので、もう賭けだった。そう言われた時に、「いや、クロス…!」と言いたかったがここはもう田村に預けたと思い、やってもらった。そしたら綺麗に入ったのでもう行けるなと思った。(次の相手は)ここ1年ほぼ無敗の人なので、今日のペアよりもさらに強い。どれだけそこに食らいついて行けるかだと思う。しつこくやっていけたら、チャンスをものにできるかなと思う」

◆田村迅
「(ベスト4に入ったが)素直に嬉しいが、今の試合を個人的にあまり満足できていなくて、ミスも多かったので、悔しい部分はあった。ベスト4はなかなか入れるものではないので、素直に受け止めて明日また頑張りたいと思う。(試合を振り返って)ファーストセットは、出だしから相手にプレッシャーをかけていって、ブレイクできたので、自分たちの持ち味を出しつつ、ファーストセットはいい流れで取れたのかなと思う。セカンドセットはブレイクする流れがあったが、5-4の日野サーブを前衛の自分がもっと相手にプレッシャーをかけてボレーをすることができなかった。5-4から5-7になったのはその1ゲームで自分のちょっとした動きができなかったことで相手に流れを持っていかれたので『やってしまったな』と反省している。(スーパータイブレイクでは)出だしの3ポイントだけは集中して出だしで相手を抑えていきたいなと思った。(スーパータイブレイクの7-9のときは)自分たちのダブルスは日野がポイントの作戦を決めてという流れだったが、このポイントだけは自分が『ストレートを行かせてくれ』というのをお願いした。正直、日野自身もあの展開だとクロスを打って欲しかっただろうが、自分のわがままを聞いてもらった。自信はなくて、ダメ元で打ってそれがたまたま入って、エースとなって決まったので、自分も吠えた。そこからやはり気合も入り直して、あの1ポイントが自分で言うのも恥ずかしいがキーポイントになったのかなと思う。(次戦は)去年のインカレで悔しい思いをした相手。だが、どういったテニスをしてくるかは分かる。今日のセカンドセットのような相手に流れを渡すテニスではなく自分たちのテニスで、いかに相手の弱点をついてプレッシャーをかけていくかが大切だと思う。勝てるかはわからないがチャレンジャーとして臨んでいきたいなと思う」



※掲載が遅れてしまい、申し訳ございません。また、準決勝の試合内容やインタビューは、後日掲載いたします。

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