• 初出場初勝利を収めた石原=後楽園ホールで(田上佳雅撮影)

  • 最終ラウンドでは森坂をダウン寸前まで追い込んだ嶋田

  • 今季2勝目を上げた若谷

  • 今季初出場の中村

高かったオリンピアンの壁 嶋田の全勝途絶える 石原は初出場初勝利

[ボクシング部]第71回関東大学ボクシングリーグ戦(2018年06月24日 17時25分)

平成30年度関東大学リーグ1部、東農大戦が6月23日(土)に行われた。結果は以下の通り。

駒大3ー6東農大☆

【ライトフライ級】
○杉山広将(営3)WP3―2 片岡●
【フライ級】
●小川達也(営1)WP2―3 中垣○
【バンタム級】
●市川春希(営4)WP1―4 北浦○
●阿部宏斗(商4)RSC(2R2"33) 松本○
【ライト級】
●嶋田淳也(歴3)WP0―5 森坂○
●中村玄貴(営4)WP1―4 中島魁士○
【ライトウェルター級】
○石原照山(経1)WP4―1 木村●
【ウェルター級】
●中川凌太(応2)WP1―4 村上○
【ミドル級】
○若谷豪(商1)WP4―1 中島玲●

※WPはWin on pointの略。判定での勝敗がついたことを表す
※RSCはReferee Stop Contestの略で、双方の選手の実力差などで試合の続行不可能と判断したとき、レフェリーが行う勝敗宣告のこと

 今季も後半戦となった東農大戦。東農大は昨年こそは1部5位に沈んだものの、例年全日本ランキングを持つ選手が多く在籍し、ライト級にはリオ五輪の日本代表にも選出された森坂嵐選手、フライ級には高校5冠の中垣龍汰朗選手など実績を持つ選手が今年もレギュラーメンバーとして名を連ねている。
 ライトフライ級で「自分が勝つとチームが勝てる」と日頃から話している杉山が接戦をものにすると、続くフライ級では小川と中垣選手のルーキー対決に。試合における支配性の面でわずかに及ばずスプリット判定で敗れた。続くバンタム級ではリーグ屈指の選手層があるバンタム級の選手2人に手出しできず。そして今日の大一番が、ここまで全勝をチームで唯一維持する嶋田とオリンピアンの森坂の対決だった。1ラウンド目、嶋田は序盤こそは様子を伺うも、相手の打撃の強さを見切ると、積極的に前の手を使って仕掛けていく。続く2ラウンド目。ここで相手が戦術を変更してくる。間合いを取って得意な距離を取らせまいとする嶋田に対し、森坂はボディを狙ってガードを崩そうとしてくる。1ラウンド目の嶋田の動きに対応してギアを上げてきた相手に対し、パンチをさばききれず。ところが3ラウンド目、森坂のギアチェンジに対応してきた嶋田は1ラウンド目より積極的な攻めの姿勢を見せ、ダウン寸前まで追い込んだ。有効打を何度もヒットさせては、相手をロープに追い込み、パンチの嵐を起こす場面が何度か見られた。結果としては2ラウンド目のポイントを取られたことが響いて0-5で判定負けしてしまうが、収穫のある敗北だった。
 続くライトウェルター級では初出場のフレッシャー、石原が気持ちを出したボクシングでこの階級としては今季のチーム初勝利を上げた。最後のミドル級では若谷がリーグ初戦で負けて以来、磨きをかけてきたアウトボクシングを徹底することで一矢報いた。
 現在リーグ5位に沈む駒大にとっては、次の中大戦での勝ち星が最終順位を決める要となる。勝ち星の数次第では3位以内に入る可能性は十分に残されている。「同じ大学生がやっていることなので大きな力の差は無い」と林田コーチは話す。リーグ最終試合で有終の美を飾れるか。

◆林田太郎コーチ
「(今日の結果は)惜しい試合が2つあったのでそこをとれたら(結果が)変わったかなと。(小川選手は僅差での敗戦だったが)あれは勝っていた試合。強いていえば前に出られなかったかなというところ。相手の攻撃をさばいてパンチを当ててという流れは良いものだが、相手が前に出てくるとそっちの方が試合をコントロールしているように見えてしまった部分があったのではないか。(嶋田選手の試合内容について)オリンピアンが相手だったのであそこで勝っていればムードも一気にこっちのものになっていたのではないか。(やはり相手の実力の方が一枚上だったということか)いや、差はない。3Rでは見ての通りダウン寸前まで追い込んだ。森坂選手はスロースターターなので1Rは取りにいこうという作戦を立てていて、それを実行できた。1Rと3Rではポイントの面で優勢だったので、(内容としては)勝った試合。(石原選手が勝利を収めたが)彼は”喧嘩”ができるタイプの選手。気持ちが強い選手なので、今後はもっと良くなると思う。あとはもう少し技術を覚えたら強くなれる。(若谷選手は2勝目を上げたが)彼のアウトボクシングのスタイルは前よりも良くなっている。日に日に成長している。あとはもう少し勇気を持って手を出すこと。(中大戦に向けて)中大戦も今日の農大戦を見て分かるように学校ごとの実力の差が無い。今回は農大は全日本ランカーばかりでうちは農大ほどランカーはいない中で接戦が多かった。中大戦も同じことが言えて、今度はうちが農大側の立場になるが、同じ大学生がやっていることなので、そこまで大きな力の差はない。『なんとかなるだろう』という気持ちでいると厳しい戦いになる。しっかり気を引き締めてやっていきたい」

◆石原照山
「(リーグ戦初勝利だが)嬉しい。自分の後にまだ選手がいるので、今日は自分が勝たなければと思ったし、相手を倒すという気持ちで臨んだ。(試合を振り返って)自分にスタミナが無いことと、気持ちが入りすぎて監督の言葉が聞こえなかったのが改善点。これからもっと強くなります。(これまでの練習ではどのようなことを)リードを作ること。今回もリードが全く出なくて。(今後に向けて)駒澤に貢献できる選手になりたい。監督の言うことをしっかり聞いて、中大戦ではリングに立ったら勝ちます」

◆嶋田淳也
「(今日の試合を振り返って)勝つつもりで臨んだ試合だったので、悔しい。(リオ五輪代表選手を相手にして)周りのほとんどの人が僕の勝ちを予想しなかったと思うが、自分は勝つつもりの試合だったので悔しい。(ボディでガードを崩してこようと何回もしてきたが)ボディはかなりきた。でも思っていたよりパンチが強かったわけでも無かったので、予想外だったというか、『これぐらいならば自分もいける』と試合中は思っていた。(今回の戦略は)相手はうまいので相手の距離だとやられるので、自分から積極的に仕掛けていった。(今回見つかった課題は)1R目にもう少し攻めることができたらというのと、2R目に相手が攻めてきた時に対処しきれなくて、そこでポイントを落としたことが敗因。もう少しボクシングの幅を増やしたい。(これまで全勝を維持していたが)今年は全勝を狙っていたので悔しい。昨年が4勝1敗だったので、今年の目標が去年以上の結果を出すことだった。次は絶対に落とせない戦いになるので、頑張る。(次戦に向けての練習としては)もう少しリードやパンチの使い方をうまくなるのと、コンビネーションを磨きたい。もっとまとめられた攻めでダウンを取れるようにする練習をしていく」

◆若谷豪
「(今季2勝目だが)素直に嬉しい。(勝因は)監督やコーチのアドバイスがあったから。特に林田コーチのアドバイス。今季初戦で負けてから、しっかり明確な目標を作って基礎から始めたので、そういったものを積み立てていったのが結果につながっている。(林田コーチから言われていたことは)『距離を取る』ということを毎日の練習で言われ、試合前も『練習したことしか試合では出ないからいつもの練習通りにやれ』と言われて、距離を取って前の手を出すことを続けてやって今日の勝ちにつながった。(チーム内では同じ階級の田中裕也選手(法4)もいるが)4年生で経験もあって、気持ちが強い方。なので、田中さんと練習をしていると経験があって技術が高いので、試合よりも多くのものを学ばせてもらっている。(リーグ最終戦に向けて)最終戦ということで、自分は2勝しているのもあって次は絶対に勝たなければいけない試合なので勝つのはもちろんだが、内容にもこだわっていきたい。今日のように距離を取って、カウンターをもらわずに、自分だけ攻撃を当てられるようにして相手に何もさせないボクシングをしたい。リーグ戦の最終戦で、自分はリーグ戦の最後の最後、ミドル級で出場することになると思うので、良い形でリーグ戦を締めくくれるようにしたい」

★次節、リーグ戦最終戦となる対中大戦は7月14日(土) 第4試合(14時30分頃試合開始予定)となり、後楽園ホールにて行われる。
(JR中央線・都営三田線 水道橋駅 徒歩5分、東京メトロ丸ノ内線・南北線 後楽園駅 徒歩10分、都営大江戸線 春日駅 徒歩10分)

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