• イタリア5人目のキッカーのシュートを止めた時久に駆け寄る選手たち(野澤俊介撮影)

  • 眠っていた大砲・小松が決勝で2ゴールの大爆発

  • 守備では相手の攻撃の芽をつぶし、攻撃ではアシストも決めた伊野波

  • 延長後半8分に日本はPKを与え、絶体絶命のピンチを迎えるも時久がファインセーブ

  • 表彰式後、松下三郎団長(後列右から2人目)も加わり、選手・スタッフ全員で記念撮影

無敵だ日本!PK戦制し3連覇達成!

[ユニバーシアード2005]サッカー男子日本代表(決勝・対イタリア)(2005年08月20日 22時00分)

時久のゴッドハンドが日本を3連覇に導いた。イタリア最後のキッカーのシュートを止めた瞬間、会場は歓喜の渦に包まれた。
決戦の地は初戦と同じ、アルサンジャックスタジアム。ここではMF藤本淳吾(筑波大)が4得点を叩き出している相性の良い場所だ。決勝ということもあってか、会場にはJクラブやトルコ国内リーグのスカウトたちも多く詰めかけた。 日本コールがわき起こるなか試合開始。そしてゴールは突然訪れた。開始3分、藤本のショートコーナーからMF衛藤裕(福岡大)がもらい、そのままセンタリング。そのボールを187cmと長身のFW小松塁(関西学院大)がヘッドで決め、あっさりと先制。また19分には、DF小宮山尊信(順大)が倒されて得た直接FKを、藤本が左足でゴール左隅に決め2-0。しかしその2分後、この大会で初めて2点差がつき、気を抜いてしまったのか、中央へドリブルで切り込んで来た相手選手をDF徳永悠平(早大)がペナルティーエリア内で倒し、PKを献上。それを相手16番が決め2-1に。さらに23分には右サイドを崩されて、ゴールを奪われ同点に。この後、イタリアペースで試合が進み一進一退の攻防。FWの赤嶺も善戦するが得点は生まれず。このまま前半終了かと思われたそのとき、左サイドから上がって行ったMF伊野波雅彦(阪南大)のセンタリングに小松がディフェンダー2人に競り勝ち、またもヘッドでゴール。教科書通りのすばらしいヘッドでの得点に「うれしい」と小松。値千金の3点目を決めた。

  後半にイタリアに同点にされ、延長戦にもつれ込む大荒れの展開。延長前半12分、FW巻佑樹(駒大)に代わり原一樹(駒大)が投入され、辻尾真二(中大)とのワールドユース2トップが完成。決勝点が生まれるかと思ったが、惜しいところでディフェンダーに止められてしまう。そして大ピンチが。延長後半8分、DF登尾顕徳(福岡大)がペナルティーエリア内でファール。イエローカードとともに、この試合2度目のPKをイタリアに与えてしまった。だが「最後まで戦い抜くという選手、スタッフの気持ちが時久に乗り移った」と乾監督が言うように、勝利の女神は見放さなかった。時久のファインセーブでなんとかしのぎ、延長前後半30分を終えPK戦へ。
最初のキッカー・藤本が外し嫌な流れになったが、2番目のMF兵藤慎剛(早大)が決め、流れを引き戻した。「(キッカーは)国際経験豊富な選手を選んだ」と乾監督。強心臓を持ったキッカーの冷静なシュートと、時久の好守により3-3(PK3-2)で勝利。その瞬間、みな時久のもとに駆け寄り、選手・スタッフ全員で勝利の美酒に酔いしれた。  
(荒川 好和)

■選手・監督コメント
◆試合終了後、小松塁選手(関西学院大)コメント
「1点目は、GKとDFの間から出てきた感じで体を投げ出していきました。2点目は、ちょうどいいところに来たんで、合わせたらそのまま入りました。FWがあまり決めていなかったというのもあるので、すごくうれしかった。 (前の試合で不本意な結果ながらも、再びスタメンに起用され)監督にやってみろと言われたので、今日は気持ちを切り替えて、すごくいい舞台なのでやるしかないと。気持ち入りましたね。このチームは組織的でつないでくるチームなので、もう一回原点に帰ろうと。まずDFを重視して自分のたちのサッカーをしようと話しました。勝ち続けているのが良いチームワークを作っている。(将来は)Jでやってみたい」

◆試合終了後、赤嶺真吾選手(駒大)コメント
「(優勝は) 3 連覇できてうれしい。自分の仕事は得点を取ることなんで、2点しか取れていなかったので、もう少し決定力があればよかったなとは思います。出来るならもう少し決勝のピッチに立っていたかった。明日、あさってにはチームに戻るのでしっかり練習してリーグ戦で優勝出来るように頑張っていきたいです」

◆試合終了後、原一樹選手(駒大)コメント
「時久が PK 止めた時は本当にうれしかったっす。5番目に自分が PK を決めて勝てたんでうれしかったです。 PK は監督が決めていって、俺5番!?って感じでした。 PK はキーパーを見て、逆をとりました。(この大会は)もっと試合にでたかった。出ても、(点を)取ろうとして空回りしているところもあって、ヘコんだりした時もありました。これからは、また駒澤に戻ってリーグ、インカレと頑張りたいと思うので宜しくお願いします」

◆試合終了後、廣井友信選手(駒大)コメント
「優勝は素直にうれしいですね。ヨーロッパは厳しい環境の中と言われていたので結果が出せ本当によかったと思います。自分は不完全燃焼な大会で、我慢する事とか自分の役割を全力でやるっていうこと(がわかって)でここで、一歩大人になれたかなって感があります。海外の選手は足が長かったり、懐が深かったりするのでうかつに飛び込めない、というのはありました。これからは、ここでの経験を活かして駒澤のサッカーをしっかりやっていきたいです。今回は皆さんの応援があって優勝できました。次はぜひ駒澤を応援して下さい」
◆試合終了後、巻佑樹選手(駒大)コメント
「うれしかったです。あんまり、なにも出来なかったが、勝ってくれたのでよかったです。(ケガは)今後には影響はない。イタリアは FW がうまいうかつに飛び込めない。1番印象に残っているのはイタリア。組織も個人も完璧。時久は神様だね。でも、止める気はした。チームに戻ったら自分のチームでしっかりやらないとだめですね。しっかり切り替えて、これからも頑張ります」

◇8月20日◇サッカー男子決勝◇アルサンジャックスタジアム

日本代表 3-3 イタリア代表
(3-2)
(0-1)
(EX 0-0)  
(0-0)
(PK 3-2) 

得点者(アシスト)
【日】3分:小松(衛藤) 18分:藤本 44分:小松(伊野波)
【イ】19分、36分、67分:ANTENUCCI Mirco
メンバー
GK[12]時久省吾(3年)
DF[2]徳永悠平 (4年)◎
DF[3]小宮山尊信(3年)
DF[4]秋葉陽一(4年)
DF[5]登尾顕徳(4年)
MF[7]伊野波雅彦(2年)
MF[8]兵藤慎剛(2年)
MF[10]藤本淳吾(4年)
MF[14]衛藤 裕(4年)
→44分:[6]池上礼一(4年)
FW[9]赤嶺真吾(4年)
→46分:[19]巻 佑樹(3年)
→102分: [11]原 一樹(3年)
FW[17]小松 塁(4年)
→80分:[16]辻尾真二(2年)
【SUB】
GK[1]赤星 拓(3年)
GK[18]飯塚 渉(2年)
DF[13]廣井友信(3年)
MF[15]金澤大将(4年)
FW[20]高橋大輔(4年)
MANAGER
乾 真寛
※◎はキャプテン
GK[12]SCIARRONE Carlo
DF[2]CARNESALINI Sergio
→47分:[15]ROVERATO Roberto
DF[3]COLANTONI Francesco
DF[4]CUSARO Fabio
DF[5]FERRARIO Stefano
MF[7]CERCHIA Carmine
MF[10]GUERRI Simone
MF[13]PAROLOMarco◎
→57分:[8]SALA Stefano
→111分:[11]LENTINI Giuseppe
MF[14]ROSSO Andrea
FW[16]ANTENUCCI Mirco
FW[17]AQUARO Roberto
→60分:[18]IERNA Guiseppe
【SUB】
GK[1]ROSSI Enrico
DF[6]VINCENTI Francezco
FW[9]FRANCIA Giampiero
MANAGER
VENERI Giorgio
※◎はキャプテン

PK()は背番号
【日】1×(10)・2○(8)・3×(7)・4○(16)・5○(11)
【イ】1×(16)・2×(14)・3○(4)・4○(5)・5×(7)
警告(C)/退場(S)
【日】20分:徳永悠平(C)、113分:登尾顕徳(C)
【イ】8分:AQUARO Roberto(C)、31分:CERCHIA Carmine(C)、55分:ROSSO Andrea(C)、60分:FERRARIO Stefano(C)、84分:CUSARO Fabio(C)
[主審]KRALOVEC P.(CZE)
■その他試合結果 GAMERESULTS
男子サッカー
順位決定戦
メキシコ1-0チェコ(5~6位)
ロシア4-0ウクライナ(7~8位)
トルコ2-1タイ(9~10位)
アイルランド1-3イラン(11~12位)
イギリス2-1韓国(13~14位)
南アフリカ2-4中国(15~16位)
3位決定戦
ブラジル1-1(PK3-4)モロッコ
決勝戦
日本3-3(PK3-2)イタリア
女子サッカー
順位決定戦
チェコ3-3ニュージーランド
トルコ1-8南アフリカ
フィンランド2-1チャイニーズ・タイペイ
アイルランド0-3カナダ
3位決定戦
日本2-0フランス
決勝
中国1-2ブラジル

女子新体操・ロープ
金メダル  BESSONOVA Anna(ウクライナ)
銀メダル  GODUNKO Natalia(ウクライナ)
銅メダル  ZHUKOVA Inna(ベラルーシ)
女子新体操・ボール
金メダル  BESSONOVA Anna(ウクライナ)
銀メダル  GODUNKO Natalia(ウクライナ)
銅メダル  YUSSUPOVA Aliya(カザフスタン) 

女子新体操・リボン団体
金メダル  ロシア
銀メダル  ウクライナ
銅メダル  日本
女子新体操・こん棒
金メダル  BESSONOVA Anna(ウクライナ)
銀メダル  GODUNKO Natalia(ウクライナ)
銅メダル  TCHACHINA Irina(ロシア)

女子新体操・リボン
金メダル  GODUNKO Natalia(ウクライナ)
銀メダル  TCHACHINA Irina(ロシア)
銅メダル  BESSONOVA Anna(ウクライナ)
女子新体操団体(3人フープ・2人クラブ)
金メダル  ロシア
銀メダル  日本
銅メダル  ウクライナ

水泳・男子10メートルシンクロナイズド高飛込み
金メダル ロシア
銀メダル 中国
銅メダル メキシコ
水泳・女子3メートルシンクロナイズド飛板飛込み
金メダル 中国
銀メダル メキシコ
銅メダル オーストラリア

テニス・男子シングルス
金メダル SITAK Artem(ロシア)
銀メダル KIRILLOV Evgeny(ロシア)
銅メダル WANG Yeu-Tzuoo(中国)、KOSAK Sebastien(フランス)

水泳・女子3メートルシンクロナイズド飛板飛込み
金メダル  チャイニーズ・タイペイ
銀メダル  スロバキア
銅メダル  日本、メキシコ

テニス・混合ダブルス
金メダル  チャイニーズ・タイペイ
銀メダル  スロバキア
銅メダル  日本、メキシコ


男子バレーボール
3位決定戦
イタリア3-1ブラジル
決勝
トルコ 3-2日本
女子バレーボール
順位決定戦
タイ3-1トルコ(5~6位)
セルビア・モンテネグロ3-2ロシア(7~8位)
フィンランド1-3スペイン(9~10位)
カナダ2-3フランス(11-12位)
ブラジル2-3日本(13~14位)
ポルトガル2-3チェコ(15~16位)
エストニア3-1イスラエル(17~18位)
南アフリカ0-3オーストラリア(19~20位)
ヨット・男子ウインドサーフィン-ミストラル
金メダル HASSEN Fabrice(フランス)
銀メダル MYSZKA Piotr(ポーランド)
銅メダル WILHELM Toni(ドイツ)
ヨット・女子ウインドサーフィン-ミストラル
金メダル KINZL Romy(ドイツ)
銀メダル TARTAGLINI Flavia(イタリア)
銅メダル MASLIVETS Olga(ウクライナ)
ヨット・男子470級
金メダル  クロアチア
銀メダル  ベラルーシ
銅メダル  スイス
ヨット・女子470級
金メダル フランス
銀メダル 日本
銅メダル イタリア

ヨット・男子レーザー級
金メダル CAMPBELL Andrew(アメリカ)
銀メダル MUSLUBAS Kemal(トルコ)
銅メダル CECHOSZ Johan(フランス)

ヨット・女子レーザー級
金メダル SZOTYNSKA Katarzyna(ポーランド)
銀メダル TUNNICLIFFE Anna(アメリカ)
銅メダル  WEIR Krystal(オーストラリア)

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